【診療放射線技師】上達の秘訣は機械の操作量

こんにちは。
診療放射線技師のララです。

先日、こんなツイートをしました。

今回は新人の診療放射線技師の方、向けです。
診療放射線技師として、仕事をより早く覚えるためにやるべきことをこの記事でご紹介していきます。

もくじ

機械の操作量 = 仕事の熟練度

新人の診療放射線技師の方は、就職して1ヶ月もすると職場の環境にだいぶ慣れてくると思います。
でもだんだんあることが見えてくると思います。

「こんなに覚えることがあるのか…」

こう考えるようになると思います。
僕が診療放射線技師として病院に初めて就職した頃はやっぱりきつかったです。

一つ一つの仕事をこなすのは、そこまで苦に感じることはないと思います。
でも、これから先覚えることになる仕事の量を考えてしまうと、わりと萎えます…

そこで、ある提案です。
覚えることを絞りましょう。

まず覚えるべきは機械の操作の方法です。

例えば「CTのしくみについて説明して」と先輩から聞かれたとします。
この質問に答えられる必要は全くありません。
家に帰ってから、CTのしくみについて勉強する必要も全然ありません。

理由は簡単です。
仕事に影響しないからです。

では例えば「CTの寝台下げといて」と先輩に指示されたとします。
先輩はコンソールの操作で忙しそうです。

「CTの寝台下げといて」という指示に答えられない場合、先輩が自分で寝台を下げに行かないといけません。
こうなると、人は2人いるのに、仕事をしているのは1人だけです。
仕事に影響しています。

さらに「造影CT撮って」と先生に指示されたとします。
「自分は普段MRIしかしないので、造影CTはできません」なんて答えたら、
放射線技師なのにできないの?」とか言われることもあります。

要するに、診療放射線技師は「~のしくみ」とか「~の原理」とかを知っている必要性はぶっちゃけ低いです。
診療放射線技師の熟練度については以下のとおりです。

  • 診療放射線技師の熟練度 = 機械の操作量
  • 診療放射線技師の熟練度 ≠ 知識の量

新人の診療放射線技師の方は、とにかく機械を操作してください。

レントゲンなら管球を上下左右に動かしたり、回したりしてください。
立位で胸部を撮る時は、管球はどの位置に持っていきますか?
その後、臥位で腹部を撮る時は管球はどの位置に持っていきますか?

操作を繰り返してください。
ゲーム感覚でいいと思います。

機械の動かし方がわかれば、後は早いと思います。
家に帰ってから勉強することなんて特にありません。

機械の操作量を増やすメリット

機械の操作量を増やすと得られるメリットを以下にまとめました。

  • 検査時の緊張がなくなる
  • 想定外の状況への対処が早くなる
  • 残業がなくなる

検査時の緊張がなくなる

診療放射線技師が緊張するのはどんな時でしょうか。
難しい検査をする時はもちろん緊張しますが、もっと緊張する時があります。

それは、検査の途中で機械が言うことを聞かなくなったときです。
数値の入力ができなかったり、撮影ボタンを押しても撮影が始まらなかったり…

人間は予測のできない事態になったときに、極度の緊張状態になりますよね?

多分ほとんどの診療放射線技師の方は、こうなったことがあると思います。
でも問題が解決されれば、それでスルーされがちなんです。

かといって、原因を明らかにしたところでまた同じことが起こります
また緊張状態になります。

これを防ぐためには、とにかく機械を触りまくるしかありません。
どのボタンを押したらどうなるのかを、検査がない時間に試しておくことです。

例えば、CTにはガントリーに緊急停止ボタンというのがあると思います。
あれ押したことありますか?
多分ほとんどの診療放射線技師の方は、押したことないと思います。

緊急停止ボタンを押すと寝台が一時的に動かなくなります。
復旧ボタンを押せば復旧するのですが、どのボタンか分かりますか?
本番で寝台が動かなくなると絶対緊張しますよね?

コンソールの操作でもそうなんですが、どのボタンを押せばどうなるのかを普段から把握しておくべきです。
それだけで、検査時の緊張はほぼなくなると思います。

想定外への対処が早くなる

機械をたくさん触っていると、想定外なことが起こったときの対処も早いです。

機械を操作していると、わからないことが出てきます。
そういう時は、機械のメーカーに電話で聞く方がいいです。

新人の診療放射線技師の方には少しハードルが高いかもしれません。
でも、メーカーに連絡して分からないことを聞くという経験は早めに積んでおくべきです。

例えば、コンソールの画面が完全にフリーズしたとします。
キーボードもマウスも効かない…

対処法は必ずあるんですが、全く経験したことがなければ対処はできないはずです。

そういうときには、メーカーに連絡しましょう。
でも色々確認しておくことがあります。

検査室にある固定電話で外線がつながるのか。
つながらないなら、どうやって連絡すればいいのか。
メーカーの電話番号はどこに書いてあるのか。

前もってこれを把握しておくべきです。

メーカーへの連絡が慣れれば、わりと怖いもの知らずになります。
想定外のことが起こっても大丈夫なわけですからね。

残業がなくなる

機械の操作」と「メーカーへの連絡」が慣れれば、残業がなくなります。

残業の原因の主な例は以下の2つです。

  • 機械がトラブったとき
  • わからないことをいつまでも自分で考えてしまうとき

機械がトラブって対処不可になったら、迷わずメーカーに連絡すべきです。

ただ、メーカーに聞くまでもないようなことはついつい自分で考えてしまいがちです。
それが、機械の操作に関することだったりします。

これを普段から機械を触りまくることで解決しておくべきです。
機械を触りまくれば、その機械にできることできないことが把握できます。

わからなければ、誰かに聞いてしまった方がいいです。
考えるだけの残業は病院にとっても医療従事者にとっても不利益です。

細かい部分ではありますが、自分の頭で考える習慣をなくせば、定時までに業務を終わらせるイメージが描きやすくなるはずです。

診療放射線技師の実績とは

多分僕だけかもしれませんが、診療放射線技師の実績って機械をどれだけ扱ってきたかだと思ってます。

でも世の中的には違いますよね。
おそらく診療放射線技師の実績は、「学会でどれだけ発表したか」で考えられていると思います。

学会で発表することは確かにすごいことです。

でも新人のうちから学会発表に向けて研究を頑張ったりすると確実に消耗します。
仕事の全体像がわからないまま、時間だけが過ぎていきます。

そもそも病院は、どんな診療放射線技師を求めているでしょうか。

ぶっちゃけ研究を頑張る診療放射線技師をほしがるのは、ごく一部の病院だけではないでしょうか。
世の中のほとんどの病院は、単純に色んな検査がこなせる診療放射線技師がほしいはずです。

というわけで、診療放射線技師として消耗しない生き方を目指すなら、機械の操作量の積み上げにコミットするべきです。

今いる病院以外でも通用するスキルを身につければ周りにペコペコする必要もないことに気づけます。

まとめ

まとめると以下です。

  • 普段から機会を触りまくるべき
  • メーカーに連絡するのに慣れるべき
  • 自分の頭で考えず、条件反射で行動できるくらい練習しておく

新人のうちは何を教えられても難しく感じるかもしれません。
教える必要がないことも教えてくる診療放射線技師がいるのも事実です。

まずは一つのことに集中すればいいです。
覚えなくていい、理解しなくていい。
ただ操作するだけです。

ということで、今回は以上です。
ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。

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