【診療放射線技師】RISの使用目的とは【ないと超不便です】
こんにちは。
診療放射線技師のララです。
僕が学生時代の頃はこんなこと考えていました。
RISって「放射線科情報システム」のことなのか。
…でもどう使えばいいんだろう。。
教科書だけの勉強では、RISの便利さまでは伝わってこないと思います。
正直、現場にとってはRISがないと仕事にならないくらい重要なものです。
今回は教科書では学べない、「RISの便利さ」について解説したいと思います。
RISとは
RISとは、放射線科情報システム(Radiology Information Systems)の略です。
例えば「今日レントゲン検査を受ける患者さんは何人なのか」などといった情報が確認できます。
また、その「検査の内容」や「検査の目的」なども確認できるため、検査の準備をするのに非常に役に立ちます。
一応、上記がRISの概要なんですが、学生の方にとってはまだピンとこないんじゃないかと思います。
RISはパソコンにインストールされたソフトです
RISはパソコンにインストールされたソフトです
上記のとおり。
ExcelやWordを起動するのと同じような感じで、RISを起動させればオッケーです。
「RISを起動して」と言われたら、パソコンのデスクトップにあるRISのアイコンをダブルクリックすれば起動完了です。
予約患者一覧の確認
RISでは以下のようなモダリティ別で情報を確認できます。
- 今日レントゲン検査する患者さんは何人?
- 今日CT検査をする患者さんの中で入院中の人は何人?
- 来週の造影MRIの予約は今のところ何人?
確認したい日付を変えることもできますし、「この日からこの日まで」という範囲を指定することもできます。
「確認するだけで終わりなの?」
確認するだけで終わる人もいますが、検査に備えて行動するべきです。
- 明日はレントゲンの予約が多いから、人員を多めに配置しよう
- 今日のCT検査は病棟の患者さんが多いな。午前中の空いた時間で検査入れていこう。
- 来週は造影MRIの予約がたくさん入っているな。造影剤の在庫は十分あるかな。
こういったことを、前もって考えることができますね。
連絡事項の入力
RISには、各患者さんに関する情報や連絡事項を入力することができます。
例えばこんな感じです。
- 補聴器をされている患者さんです(MRI検査時は要注意)
- 造影剤アレルギーがある患者さんです
- 腕があげられない患者さんです
レントゲンやCTなどの検査は一度行っても、また後日経過観察のため同じ検査をする可能性もあります。
どの診療放射線技師が検査を担当するかはわかりません。
そのため上記のように、検査の際に注意することがRISに入力してあると便利です。
RISの便利なところ
RISは情報を確認するためだけのものではありません。
RISの便利なところを紹介します。
入力作業が少なくなる
例えばCT検査をする際に必要な情報は何だと思いますか?
おおよそ以下のような感じです。
- 名前
- 生年月日
- 性別
- ID(患者番号)
- 検査番号
これだけの情報をCT装置に入力しなければなりません。
人間が手入力してもいいんですが、ほぼ確実に誤入力が発生します。
そこでRISを使います。
RISには上記のような、検査に必要な患者さんの情報が全て記録してあります。
これらの情報をRISからCT装置に送信することができます。
CT装置でRISからの情報を受信する→自動入力される→完了です
秒速で検査開始できます。
RISのおかげで入力作業は大幅軽減です。
統計データが簡単に出せる
診療放射線技師として仕事していると、統計データが必要なことがあります。
- 研究のため
- 勉強会や学会で発表するため
- 上層部に報告するため(検査件数の割に職員が少ないとか交渉できる)
もし仮にレントゲンやCT検査に関する情報が紙媒体でしか残っていなかったらどうでしょうか。
後から統計データを出そうなんて思ったら相当大変です…。
医療業界にとってデジタル技術は、なくてはならないものになりました。
僕は現在、放射線治療を担当しています。
普段はこういった統計データを出しています。
- 各月ごとに何人の患者さんが新たに放射線治療を開始しているか
- どの依頼科から何人の患者さんが紹介されているか
- 根治治療が何人、緩和治療が何人なのかなど
施設としてある条件を満たすと、加算できる保険点数が増えたりします。
その条件というのが、「どれくらいの人数の患者さんを放射線治療しているのか」だったりします。
僕の場合、統計をとっておく目的は以下ですかね。
統計データを提出して新たな施設基準を満たしたことを報告するため
基本的に勉強も研究もしたくないスタンスです。
業務効率の方が優先です。
最後に
最後にRISの便利さについてまとめておきます。
- モダリティごとに予約患者一覧を表示できる
- 患者さんごとに検査の時に注意することなど、連絡事項を入力できる
- 患者さんの情報を各モダリティの装置に送信できるため、入力作業が大幅軽減できる
- 統計データが簡単に出せる
今やRISは医療現場では当たり前のように使われているものです。
ですが、上記のことを全て紙で運用するとしたらどうでしょうか。
ほぼ確実にヒューマンエラーが発生します。
間違いが必ず起きます。
医療現場にデジタル技術が導入されたことで、ヒューマンエラーが激減しています。
「アナログがデジタルになったことで便利になった」
こんなことが言われますが、医療現場ではちょっと違います。
デジタル化された医療現場は、より多くの患者さんを検査できるようになった。
これだと思います。
デジタル化された医療現場に一役買っているのがRISなんです。
学生さんにはこれだけ認識してもらえれば十分だと思います。
大事なのは「操作」ですから、臨床実習または就職してからたくさん操作してください。
というわけで記事は以上です。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。