【診療放射線技師国家試験】過去問だけの勉強法でいい理由
こんにちは。
診療放射線技師のララです。
診療放射線技師を目指す学生のみなさんへ朗報です。
診療放射線技師国家試験合格のための勉強法は「過去問を解くだけ」でいいです。
「本当に?」と思われるかもですが、これにはちゃんと理由があります。
そもそも、国家試験受験というのは人生において「役に立つもの」ではありません。
とはいえ、避けては通れない「通過点」です。
そこで、国家試験の勉強法で悩む時間を極力減らすことができるように、経験者からのアドバイスを提供したいと思います。
合格率から考える
診療放射線技師国家試験の合格率はご存知ですか?
以下のリンクから過去5年分の合格率を確認できます。
実際に見ていただくとわかると思いますが、毎年受験者のほぼ8割が合格しています。
別の見方をすれば、ほとんどの人が一発で合格しているということになります。
ネットの嘘
ネット上の情報でよく見るのですが、「過去問だけの勉強ではダメ」と言う人がいます。
その人が、診療放射線技師国家試験を2度も3度も不合格になっているのであれば説得力があるのかもしれません。
ですが、多分その人も一発で国家試験に合格しているのではないでしょうか。
断言しますが、診療放射線技師国家試験に合格する要因は「過去問以外に色んな参考書で勉強したから」ではありません。
単に「過去問で勉強したから」です。
まぁこれは多分ですけど、全員が高校受験や大学受験を経験してきたから、「過去問だけの勉強ではダメ」という情報が出てしまうんじゃないかなと思います。
あまり身構える必要もないです。
合格率が変動しない理由
もし仮に、毎年のように国家試験の問題の内容が見直され、今までにないような問題が次々に出題されたとしましょう。
そんなことがあれば、合格率はもっと大きく変動するでしょう。
ですが、実際にはほぼ変動していません。
それに、今まで出なかったようなオリジナルの問題を出題すると、国家試験の運営側にとってはリスクです。
不適切問題になる可能性があるからです。
不適切問題は、無条件で全員正解となってしまいます。
不適切問題が何個も見つかってしまったら、正答率が異常に上がってしまい、合格率にも影響してしまいます。
それに不適切問題は発覚したら、運営側はそれを公表しなければなりません。
運営側も余計な仕事はしたくないはずです。
結局、診療放射線技師国家試験の問題は、過去に出題されても不適切とはならなかった無難な問題ばっかりにせざるをえないわけです。
やるべきこと
何はともあれ、やるべきことは過去問で勉強することです。
過去問題集を手に入れる
まずは過去問を手に入れましょう。
Amazonで売られている診療放射線技師国家試験過去問集の中で使えそうなのは、以下の3つくらいです。
特にどれがおすすめというのはないですが、10年分の過去問が載っていることと、その解答が載っているという条件を満たしているものを選びました。
失敗しがちなこと
過去問で勉強する際に、失敗しがちなことがあります。
それは、「こなす問題数が少なくなること」です。
多分ほとんどの人は、最低でも5年分の過去問をこなします。
それでも十分合格はできます。
しかし、人によっては2年分の過去問しかこなさない人もいます。
おそらくそういう人が、受験者の2割ほどを占めるのではないでしょうか。
学生時代、僕の知り合いは「過去問2年分は完璧にした」と言っていました。
その知り合いは残念ながら、国家試験不合格となってしまいました。
完璧にしない
繰り返しですが、過去問で勉強する際の失敗は「こなす問題数が少なくなってしまうこと」です。
なぜこうなるかというと「完璧にしようとする」からです。
具体的に言えば、国家試験問題の選択肢一つ一つの解説を読み過ぎると非効率なんです。
解説を読むのに時間をかけ過ぎると、こなす過去問の数が少なくなってしまいます。
国家試験の勉強は過去問だけでいいですが、さすがに2年分しか過去問をこなしていないと合格は難しいです。
10年分の過去問をこなしましょう。
これ以上の国家試験の勉強は必要ありません。
まずは、以下の手順で進めましょう。
- 問題文を読んで選択肢を見て考える
- 考える時間は1分くらいにして、すぐに正解を見る
- 正解を見たら次に進む
選択肢一つ一つの解説は読みたくなってしまうところですが、読まない方がいいです。
読むなら計算問題くらいでいいと思います。
そして選択肢一つ一つの解説を読むのは、10年分の過去問を2周やってからにしましょう。
全部で4周もやれば、国家試験の勉強はもう十分です。
国家試験の重要度を小さくしよう
経験者として、過去問のみの勉強法をおすすめするのには理由があります。
国家試験は人生において役には立たない
国家試験を受験した経験者だからこそ言えることですが、国家試験自体は人生において役に立つものではありません。
証拠もあります。
例えば放射線治療業務を担当するのは、現役の診療放射線技師の中でも一部だけです。
僕は、先輩後輩問わず「放射線治療に対してどんなイメージがありますか?」という質問をよくします。
不思議と共通して、こんな答えが返ってきます。
「国家試験で一応勉強したけど、今はもう覚えてないかな…」
要するに、就職したら国家試験の勉強で得た知識なんて、ほとんどの人が忘れます。
忘れた知識は、当然役に立ちません。
競争から逃げよう
多分、国家試験の重要性は低いと分かったとしてもやっぱり国家試験の勉強を完璧にしたいと思ってしまう人もいると思います。
なぜそうなるかというと、おそらく周りと競争してしまうからではないでしょうか。
競争ですから周りより知識を多く取り入れようとしてしまいます。
知識を多く取り入れようとすると、国家試験の勉強はキリがなくなり、自分自身が消耗します。
どうしても周りに合わせて行動してしまう人は「嫌われる勇気」という本を読みましょう。
主体的な行動が楽になり、就職してからも確実に役に立ちます。
もう一度確認ですが、国家試験勉強の目的は「国家試験に受かるため」以外にありません。
「診療放射線技師に関する知識を取り入れる」という目的は達成できません。
就職したら、その知識は忘れますし、役にも立ちません。
国家試験勉強では、問題文を読んで、正解の選択肢を選ぶ訓練を積むことだけにコミットしましょう。
まとめ
以上、記事をまとめると以下です。
- 「過去問だけの勉強はダメ」という情報は嘘
- 国家試験運営側は過去問の類似問題を出さざるをえない
- 過去問の解説を読むのに時間をかけるべきではない
- 国家試験は人生において役には立たない
- 周りに合わせた行動をすると自分自身が消耗します
勉強地獄におちいってしまうと、就職してから苦労します。
就職してから力を入れるべきなのは、勉強ではなく「機械の操作」です。
就職した後の診療放射線技師としての生き方については、こちらの記事で解説しておりますので、よろしければ読んでいただけると嬉しいです。
最後は宣伝になってしまってすみません…。
重要なのは、頑張るべき方向をまずは一つにすることではないですかね。
診療放射線技師を7年経験して得た、この業界で生きていく上でのコツみたいな感じです。
医療従事者として消耗することのない、シンプルな人生を歩んでいきましょう。
以上で、記事は終わりです。