【対策あり】診療放射線技師の臨床実習はつまらないです

こんにちは。
診療放射線技師のララです。

診療放射線技師を目指す学生のみなさんへ、臨床実習にはどんなイメージを持っていますか?

残念ながら、臨床実習は教育の場としては最悪です。
つまらないと言われても無理はないです。

ただ、臨床実習で目指すべきこともあまり知られていないような気がします。
臨床実習は利用するものです。

今回は、臨床実習がつまらない理由とその対策について、現役の診療放射線技師の僕が解説していきます。

教えるのは誰?

臨床実習で、教える立場にあるのは誰でしょうか。
無論、現場の診療放射線技師です。

しかし、この時点で色々問題があります。

現場の人間は教えるのが基本下手です

現場の診療放射線技師は、教えるのが下手です。
理由は超簡単です。

教える訓練」をしていないからです。

当然と言えば当然です。
現場の診療放射線技師は、診療放射線技師として画像検査をするという契約で病院にいます。
診療放射線技師が「臨床実習生に対して、このような教え方をしましょう」みたいな教育なんて受けません。

現場の診療放射線技師は、基本的に仕事をするので精一杯です。
臨床実習は、ただ立ちっぱなしで仕事を見学するだけの状態になることも珍しくありません。

でも、僕に言わせれば「だったら臨床実習受け入れるなよ」って思います。
そもそも大学と病院の連携が上手くできていないんでしょう。

現場の診療放射線技師がもし何かを教えるとしたら、ほぼ我流です。
我流の教育ほどつまらないものはありません。

例えば得意げに、こんな質問をしてくる診療放射線技師がいたら要注意です。
拡散強調画像って何か知ってる?大学の講義で習ったよね?」

これ、ただの自己満です。
真面目に答えてもメリットありません。
教科書見ればわかるような情報を臨床実習でやりとりするとか、正直無駄です。
わかっていても、「わかりません…」でいいですよ。

「オレはわかるけど、君はわかる?」
せいぜいそんな心理でしょう。

ムカついたら逆に臨床実習生のみなさんは、こういう質問をし返してやってください。
「拡散強調画像の撮影時間を短くするには、どうすればいいですか?」

患者さんの脳梗塞を診断するのにMRIの拡散強調画像は必須です。
患者さんが動いて画像がブレるくらいなら、画質を落として撮影時間を短くしてでも撮影したいものです。

拡散強調画像の撮影時間を短くできない診療放射線技師の話は、もはや無視してもらって構いません。

臨床実習生の「やる気」ばかり気にする理由

「あの学生さん、やる気ないよね…」
残念ながら、こんな発言をする診療放射線技師が多いです。
ただ、気にすることはないです。
分析していきましょう。

現場の診療放射線技師が、臨床実習生を評価するときの指標って何だと思いますか?
ほぼほぼ以下の2つくらいです。

  • 積極的に動いてくれるか
  • 積極的に質問してくれるか

でもこれ、自分勝手な都合です。

臨床実習生が積極的に動いてくれれば、現場の診療放射線技師は「臨床実習をさせてる感」を得ることができます。

臨床実習生が積極的に質問してくれれば、現場の診療放射線技師は「教えてる感」を得ることができます。
質問に答えていればいいから、現場の診療放射線技師は楽です。

一方で、「動かない」「質問しない」ような臨床実習生に対して、現場の診療放射線技師は何も提供できるものがありません。

現場の診療放射線技師は「何も提供できない」という状況を、「臨床実習生のやる気がない」という言葉に置き換えているんです。

臨床実習生のやる気ばかり気にする診療放射線技師は、わりと「他人任せ」なところがあります。
観察して、実習ノートに書き留めるといいでしょう 笑

臨床実習生のみなさんが評価してください

そもそも、臨床実習生は「教育を受ける立場」です。
なのに、いつの間にか臨床実習生は「現場の診療放射線技師から、いい評価をもらうべき立場」みたいになってしまっています。

むしろ、臨床実習生のみなさんが大学臨床実習先の病院を評価してください。
評価される立場にならないから、大学や臨床実習先の病院は威張ってしまいます

臨床実習生の自分が知りたいことを教えてくれたかどうか」に注目してみてください。
どの大学も病院も大した教育力はありません。
ただただ臨床実習生を「評価」しているだけです。

でも、「臨床実習生の自分が知りたいことって何?…」という疑問があるはずです。
以下で答えます。

両者にとってのメリットとは

現場の診療放射線技師を喜ばせるために積極的に行動するのはやめましょう。
臨床実習生のあなたにとってメリットのある行動を考えていきます。

何を質問すればいいか

「何を質問すればいいかわからない」
これ、ほとんどの臨床実習生が悩んでいることだと思います。

現場の診療放射線技師を喜ばせるための質問を考えてしまうから、そりゃ悩んでしまうわけです。
臨床実習生のあなたにとってメリットのある質問をしましょう。

やるべきことは「機械の使い方」を教えてもらうことです。
機械の使い方は、まず教科書には載っていません。

臨床実習生のみなさんにとって、とりあえずの目標は診療放射線技師として仕事ができるようになることなはずです。
だったら臨床実習を利用しましょう。
学生時代に機械の操作を覚えることができるのは、臨床実習の時くらいです。

「機械の操作をさせてもらえませんか?」
まずはこれを聞いてみてください。

結論、仕事を覚えましょう

臨床実習は「診療放射線技師としての仕事を覚える時間」と考えてください。

そうすれば、いくらでも質問が浮かびます。
臨床実習生のみなさんは、まだ診療放射線技師として仕事ができないわけですからね。

「次はどの患者さんを検査しますか?この患者さんを後回しにするのはなぜですか?」
「このボタンを押した後、次はどのボタンを押せばいいですか?」
「この画像、どのようにトリミングすればいいですか?」
「患者さんをどのように寝かせればいいですか?」
「検査が終わったら、この患者さんはどこに案内すればいいですか?」

教科書やノートは、そこら辺に適当に置いてください。
一部でいいです。
何か仕事をやってみてください。

多分わりと質問することになるので、現場の診療放射線技師も「教えてる感」を得ることができます。
「仕事を覚える」という将来につながる行動をしているので、臨床実習生にとってもメリットです。

結論、臨床実習が目指すべき方向は、「診療放射線技師としての仕事を覚えること」です。
臨床実習のために準備することなんて、特にありません。

最後に

まとめると以下です。

  • 現場の診療放射線技師は教育ができない
  • 臨床実習生が大学や病院を評価してください
  • 機械の使い方を聞けば十分
  • 仕事を覚えることを目標に

ただ、「機械の使い方を教えてもらえなかったらどうするの?」といった疑問もあるはずです。
「臨床実習生はまだ技師免許を持っていないから」とかいうわけのわからない理由をつけて、ほとんど機械を触らせない施設もあると思います。

臨床実習で機械を触らせてもらえないなら、もうその臨床実習はあきらめましょう
臨床実習生に機械を触らせない病院は、臨床実習生を受け入れる資格はありません。
そんな病院では、臨床実習生のみなさんはその場から動かなくていいし、何も質問しなくてもいいです。

これはわがままではありません。
社会人として自分自身の人生を歩むための第一歩です。

医療業界は基本的に周りに合わせて行動する人間ばかりです。
ほとんどの人は他人の人生を歩んでいます。
そんな人間になってしまえば、医療業界で働くこと自体がつまらないことになります。

現場の診療放射線技師に合わせて、余計なことを考えて消耗するのが、臨床実習生にとって一番の失敗です。
自分自身の目標達成だけを考えましょう。

というわけで、今回は以上です。
「疲労感」よりも「達成感」の残る臨床実習にしてください。

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