診療放射線技師の仕事内容公開【放射線治療編】

こんにちは。
診療放射線技師のララです。

あなたは、診療放射線技師という職業に興味がありますか?
今回は、診療放射線技師という職業を見つけ、興味を持ち、仕事内容について詳しく知りたいという方、向けの記事を書いていきたいと思います。

シリーズ形式の記事となっております。

この4つについてシリーズ形式で載せていきたいと思います。
今回は【放射線治療編】です。

こだわったのは、専門用語をできるだけ使わないことです。
ちょっと使ってしまうかもですが、そのときはごめんなさい…

放射線治療の手順

これは、テレビなどでも紹介されていると思います。
放射線治療のイメージがなんとなく浮かんでる人もいるかもしれません。

ここでは、診療放射線技師がどんな仕事をしているかをご紹介します。

放射線治療はCTやMRIと違って、普通の病院にはありません。
放射線治療がある病院は、たいてい大きい病院です。
日本全国で見ても、数は限られます。

放射線治療を担当できる診療放射線技師の数も限られるということです。
わりと人手不足の分野でもあります。

診療放射線技師になったら、放射線治療を担当したいと思ってもらえたら幸いです。

放射線治療のざっくりとした手順が以下です。

  • ・患者さんを案内し、放射線治療用の台の上に寝てもらう
  • ・放射線を当てる場所を合わせる
  • ・放射線を当てる

順番に見ていきます。

台の上に寝てもらう

実は、放射線治療は1日で終わりません
1ヶ月とか2ヶ月とかかかります。

その間、患者さんには毎日病院に通ってもらいます。
病院に来て、放射線を当てて帰る…っていうのをとにかく繰り返します。

患者さんには、毎日放射線治療用の台の上に寝てもらうことになります。
そのとき、毎回同じ姿勢で寝てもらわないといけません
毎回同じように放射線が当たるようにするためです。

台の上に寝てもらうのは、簡単そうに思えるかもしれません。
でも実は、細かい微調整をやっているんです。

腕の位置だったり、膝の曲げ方とか、枕の種類とかまで患者さんごとに決まっています。
患者さんの寝る姿勢の情報を記録にとり、それを毎回再現させてる感じです。

放射線を当てる場所を合わせる

患者さんの体には、あらかじめ印をつけています

台の上に寝ている患者さんの体にレーザー光を当てます。
レーザー光はいつも同じ位置にあります。
レーザー光は放射線ではありません。
ただの光です。

そのレーザー光と、患者さんの体につけている印がぴったり合うように、体の位置をさらに微調整します。

放射線を当てる

あとは放射線を当てるだけです。

放射線は色々な方向から当てます
前から横から後ろから、とかです。

放射線治療計画とは

放射線治療の手順だけ聞くと、簡単に思えるかもしれません。
でも、放射線治療の仕事はこれだけではありません。

放射線治療計画という作業があります。
放射線治療で行う仕事の8割を占める作業になります。

放射線治療計画とは、患者さんの病気の部分に、どのように放射線を当てるかを決める作業です。

実は、僕は放射線治療を専門としています。
この辺の話は、楽しくて色々書きたいところなんですが、我慢して簡潔に書きます。

放射線は、できれば病気の部分だけに当てたいんです。
でも、どうしても病気じゃないところにも当たってしまいます。

病気にできるだけ放射線を強く当てて、病気じゃないところは放射線のダメージを最小限に抑えるためにはどうすればいいかを考えます。
放射線治療計画はパソコンを使って行います。

パソコンを使って色々な難しい計算とかをします。
最近のパソコンは性能が良いので、より複雑な計算とかを速くできます。

基本的に、放射線治療計画を行うのは放射線治療医と呼ばれるお医者さんです。

出来上がった放射線治療計画を処理するのが、診療放射線技師の役目です。

放射線治療では、とても強い放射線を患者さんに当てることになります。
患者さんにどれくらいの放射線を当てるのか、パソコンに数字で表示されます。

その数字が本当に正しいのか、色々な方法を使って二重にも三重にも確認作業をします。
使うパソコンも5台とか6台とかになります。
こんなにパソコン使う職種は、医療業界では診療放射線技師くらいでしょう。

パソコンを扱うのが好きな人にとっては、わくわくする仕事ですよ。

放射線治療計画の確認作業が終わってから、ようやく放射線を当てていくことになります。
1ヶ月から2ヶ月かけて、毎日放射線を当てるんですが、土日、祝日はお休みです。

最後に

いかがだったでしょうか。

実は、診療放射線技師業界の中でさえ、放射線治療は難しいと思われています
でも、放射線治療を担当している診療放射線技師は、あまり難しいとは考えません。
やるべきことが、明らかになっているからだと思います。

自分でこういうのもなんですが、放射線治療を担当できる診療放射線技師は貴重です。

例えば、放射線治療がない病院があるとします。
そういう病院が、急に放射線治療を導入することも珍しくありません。

放射線治療を導入するなら、放射線治療担当経験のある診療放射線技師が必要です。
放射線治療担当経験がない診療放射線技師が、ゼロから放射線治療の環境作りをしようと思ったら相当大変です。
下手したら、毎日夜中まで残業が延々と続きます

あなたが学生で、診療放射線技師になりたいと考えているなら、まず放射線治療がある病院に就職することをオススメします。

というわけで、今回はこれくらいにします。

この記事はシリーズ形式になっております。
他にも、レントゲン検査CTMRIの仕事内容を紹介する記事がありますので、よろしければ読んでいただけるとうれしいです。

放射線治療編、読んでいただいて、ありがとうございました。