こんにちは。
診療放射線技師のララです。
あなたは、診療放射線技師という職業に興味がありますか?
今回は、診療放射線技師という職業を見つけ、興味を持ち、仕事内容について詳しく知りたいという方、向けの記事を書いていきたいと思います。
シリーズ形式の記事となっております。
この4つについてシリーズ形式で載せていきたいと思います。
今回は【CT編】です。
こだわったのは、専門用語をできるだけ使わないことです。
ちょっと使ってしまうかもですが、そのときはごめんなさい…
CT検査は体を輪切りにして中の様子を見る検査
患者さんの体を「輪切りにする」っていうのはよくテレビとかでも言われてますよね。
実は輪切りだけじゃないんです。
たて切りにしたり、あとは地面と平行に切ったりもできるんですよ。
なんか残酷に聞こえてきますね 笑
実際に体を切ることはないので安心してください。
レントゲン検査とは何が違うのでしょうか。
例えば、患者さんの肝臓の検査をするとします。
レントゲン検査でも、肝臓はぼんやり写ります。
でもぼんやりしか写らないので、病気が肝臓のどこにあるのかとかわかりません。
そんなときは、CT検査をします。
肝臓の形がはっきりわかります。
病気がどこにあるかもわかります。
肝臓だけじゃなくて、すい臓とか胃とか小腸も大腸も形がよくわかります。
実はお腹の検査をするなら、レントゲン検査だけじゃなくてCT検査もほぼほぼ行います。
「だったらレントゲン検査せずに、みんなCT検査だけやればいいんじゃないの?」
って思った方もいるかもしれません。
正直、僕もそう思います 笑
最初からCT検査すればいいのにって、いまだに思うこともあります。
この辺は、お医者さんの判断次第だったりします。
ただ、CT検査はレントゲン検査より時間がかかります。
倍くらい違うと思います。
僕が勤める病院では、レントゲン検査は一日に多くて100人くらい行います。
CT検査は多くて60人くらいです。
CT検査100人とかなったら、ちょっと厳しいです…
レントゲン検査だけでわかる病気もあります。
目的に応じてレントゲン検査とCT検査を使い分けることで、一日にできるだけ多くの患者さんの検査を実現させているんだと思います。
CT検査の何が難しいか
CT検査は実際どんなことをやっているのかご紹介します。
まず、患者さんをCT室に案内します。
CT室にはドーナツ型の機械と台があります。
患者さんにはその台の上に寝てもらいます。
台を操作して、ドーナツの穴の真ん中に患者さんの体がくるように合わせます。
ドーナツの穴の真ん中に患者さんの体を位置することで、CTの画像がきれいになります。
今回はお腹のCT検査をするとします。
まず最初に、お腹のレントゲン写真を撮ります。
実はCTの機械でレントゲン写真を撮ることができます。
そのレントゲン写真を見て、どこからどこまで輪切りにするかを決めます。
お腹のCT検査なら、わきの辺りからおしりくらいまで撮影すればいいでしょう。
どこからどこまで輪切りにするかを決めたら、撮影スタートボタンを押します。
すると、「息を吸って、止めてください」というアナウンスが流れます。
患者さんが息を止めた状態で撮影しないと、画像がブレてしまうからです。
人間のお腹は呼吸で動いてしまいますからね。
アナウンスが流れた後、台が勝手に動いて撮影します。
これで検査終了です。
人によっては「簡単じゃん…」って思われたかもしれません。
CT検査はこの後が大変です。
撮影した画像を加工しなければなりません。
肝臓・すい臓が見やすい画像、骨が見やすい画像、肺の中が見やすい画像を作ったりします。
それぞれの画像は輪切りのままです。
今度は、たてに切ったり、地面に平行に切ったりもします。
こうすることで、例えば肝臓とかすい臓を色々な角度から観察することができます。
このように、一つの画像を色々な見え方に加工するという作業があるのがCT検査の特徴です。
画像を加工する作業が終わってから、ようやく次の患者さんの検査に移るわけです。
救急患者のCT検査が入ったりすると、その前にCT検査した患者さんの画像を加工する作業は後回しになることもあります。
救急患者のCT検査が終わってから、その前にCT検査した患者さんの画像を加工すればいいんですが、これが忘れてしまうんですよね…
お待たせしている患者さんが多いと、そのまま次の患者さんのCT検査に移ってしまうんです。
僕はメモを駆使したりして、こういうミスはなくしました。
診療放射線技師は専門性が大事とかって言われたりしてます。
でもこれ、わりと間違ってると思います。
本当に必要なのは仕事の段取り力かなって思ってます。
診療放射線技師は、「勉強会も頑張って学会発表もして、専門性があって知識があります」みたいなのを異常にアピールしすぎてる感もあるんですよね。
仕事の仕組み化が大前提です。
他の業界では仕事の仕組み化なんて当然のようにやってますよね。
医療業界はまだまだ遅れてますね。
最後は余談になりました。
すみません…
最後に
いかがでしたでしょうか。
CT検査の仕事内容が少し思い浮かんだでしょうか。
今回は詳しく触れませんでしたが、CT検査には普通のCT検査に加えて、造影CT検査というものがあります。
造影剤という薬剤を使うCT検査ですね。
詳しく書くと長くなるので、簡単に説明します。
造影剤が患者さんの体の中を流れている瞬間をCTで撮影する、これだけです。
言葉で説明するとそれだけなんですが、造影CTはとにかく奥が深いです。
造影CT検査では具体的に何をするのか、診療放射線技師を目指す学生の方、向けにまた記事を書きたいと思います。
ちなみに、単純CTの基本的な操作についてはYouTubeで解説しています。
診療放射線技師を目指す学生の方であれば、一度見ていただくと参考になると思います。
というわけで、今回はこれくらいにします。
この記事はシリーズ形式になっております。
他にも、レントゲン検査、MRI、放射線治療の仕事内容を紹介する記事がありますので、よろしければ読んでいただけるとうれしいです。
CT編、読んでいただいて、ありがとうございました。